バス運転手に転職を考えているあなた。
バス運転手に「向いてる人」、「向いてない人」の特徴や性格を知っていますか?
事前にバス運転手の向き・不向きな人の特徴や性格を理解しておくことは、入社してから苦労しない為にも非常に重要です。
20代未経験でバス業界に転職し、一般・高速路線、貸切バスを経験してきた現役バス運転手の僕が感じる「バス運転手に向いている人、向いてない人の特徴や性格11個」を詳しく解説します。
仮に向いてない人の特徴や性格に当てはまった人でも、対処法も併せて記載しているので是非最後までご覧ください。
※ここに記載した内容は特定の会社・団体・組織・個人を指すものではありません。またバス会社や仕事によって状況は異なるので、この記事の内容がすべて当てはまるわけではない事をあらかじめご了承願います。
自分がバス運転手に向いているのか、向いていないのか知りたい。
バス運転手に向いている人5選
①運転が好きな人
バス運転手は、仕事内容によっては1日に数百キロ走ることもザラにあります。
そんな中で、
『運転が好き』
と言うのは、バス運転手を続ける上で大きなアドバンテージになります。
かく言う僕も自家用車でドライブする時は、どこまでも行けるくらい運転が好きですし、僕の周りの乗務員もドライブ好きな人は多いです。
バス運転手という仕事は「バスを運転することで成り立つ仕事」であり、基本的には毎日同じことの繰り返しです。
当たり前すぎて見過ごされがちですが、運転が好きな人と言うのは実はバス運転手の仕事を続ける上で重要な要素の1つであるのです。
②接客が好きな人
以前の記事≪バス運転手は運転が下手でも問題なし!?運転技術より大事なことをお伝えします。≫で、「バスの運転手は運転技術よりも接客応対の方が大事」とお伝えした通り、現在のバス運転手の仕事は接客業の意味合いが強くなっています。
ただ無事故でバスを運行するだけで、お客様や会社から評価される時代は終わっています。
またお客様からの苦情も「接客応対」に関するものが多く、苦情の数が多いと会社によっては乗務員に対して再教育の対象となります。
そんな中で、
〇親切丁寧な接客応対ができる人
こんな人は、お客様や会社から評価されやすい為バス運転手に向いていると言えます。
③職場でのコミュニケーションが苦手な人
バス運転手の仕事は基本的には1人で黙々とする仕事です。
夜行高速バスなどでツーマン運行(1台のバスを2人の乗務員で運行すること)や、貸切の台数口の仕事(複数台のバスで1つの仕事をすること)などは、他の乗務員とのやり取りや打ち合わせなど、連係プレーが求められる場面はあります。
しかしそれでもひとたびハンドルを握ると、一人で黙々と仕事をすることになる為、他の業界と比べると職務上でのコミュニケーションが希薄であるといえます。
そのため職場でのコミュニケーションが苦手な人は、バス運転手の仕事に向いていると言えます。
④会社が決めたマニュアルを実直に守れる人
ほとんどのバス会社では、運転操作や接客応対など基本マニュアルが存在します。
過去に他の運転手が失敗した事例などに基づき改訂を重ねて、新人教育や既存運転手の定期的な研修等に活用されています。
そんな基本マニュアルですが、事故やお客様からのクレームが来た際はマニュアル通りに操作や接客ができていたかドライブレコーダーなどでチェックされます。
仮にできていないと、
「○○の基本ができていなかったから、結果的に事故(クレーム)につながった。」
と指導されることになります。
マニュアルの中には現場で働く乗務員にとって理不尽な内容もあり、それに不満を抱く場合もあります。
しかし会社が決めたマニュアルを実直に守れる人は、仮に事故やクレームが来たとしても処分が軽くなったり、会社が守ってくれる場合もあるので向いていると言えます。
⑤自ら目標を定めて向上心を持って仕事ができる人
基本的にバス運転手の仕事はルーティンワークです。
『出勤⇒点検⇒出発点呼⇒出庫⇒乗務⇒休憩⇒乗務⇒帰庫⇒点検⇒到着点呼⇒退勤』
路線バス・貸切バス共に大まかに言うと、ほとんどがこのような仕事の流れになります。
バス運転手未経験の人がバス運転手になると、最初は覚えることもたくさんあり、バス独特の運転操作も相まって戸惑うことと思います。
しかし基本的にルーティンワークなバス運転手の仕事は、ひとたび慣れてしまえば、毎日が単調な仕事とも言えます。
更に出庫してしまえば、ドライブレコーダーがあるとは言え、ワンマン運行の場合1人乗務となる為、誤解を恐れずに言えば、『手を抜こうと思えばいくらでも手抜きができる』環境にあると言えます。
しかし、そのような環境に甘んじていると、バス運転手の仕事がつまらなく感じやりがいを見失うと共に、バス運転手としてそれ以上の成長は見込めません。
ルーティンワークなバス運転手と言う仕事こそ、自らの目標を設定しそれに向かって日々の乗務で試行錯誤していくことで、やりがいや楽しさ、達成感を味わうことができ、ひいてはバス運転手として成長していくことができます。
バス運転手に向いてない人6選
①お酒が大好きで毎日たくさん飲みたい人
バス運転手にとってある意味、お酒は天敵とも言えます。
出勤前には必ずアルコール検知器を吹きますが、アルコール濃度が0.00mgでないと乗務できません。
つまり呼気中に少しでもアルコールが含まれていると仕事ができないのです。
お酒が全く飲めない人であれば、アルコール検知器が反応する心配はありませんが(厳密にはアルコール検知器を使用する前の食べ物に反応することもある)、毎日お酒が飲みたい方であれば出勤前に体内にアルコールが残らないような飲み方をしなければなりません。
仮に乗務前に飲酒が原因でアルコール検知器が反応した場合は、他の事象よりも処分が重くなります。
そもそも勤務前日の飲酒を禁止しているバス会社も多くあります。
その為、特にお酒が大好きで毎日飲みたい人はバス運転手になったらお酒との付き合い方を大きく変える必要があります。
お酒を我慢しなければならない場面が増えますし、お酒を日常的に飲むということはそれだけアルコール検知器が反応するリスクも高まります。
お酒が大好きな人は相当な自制心がなければバス運転手に向いてないと言えるでしょう。
対処法
アルコールが抜ける時間は個人差が大きいので一概には言えませんが、あなたの体重と飲酒量からアルコールの消化時間をざっくり計算し、出勤時間までの時間を逆算して飲む量をコントロールすることです。
アルコール消化時間は、バス運転手におなじみアルコール検知器の製造会社、東海電子株式会社HP内の「飲酒シミュレーション」のページからも計算することができます。(※この結果に基づいて行動した結果、生じた不利益や損害に関して当ブログは責任を負いかねますので予めご了承下さい。)
それでの飲みすぎてしまう人は、出勤時のアルコール検知器を反応させてしまったときの、
〇管理者からの叱責
〇他の乗務員からの目や噂
などを想像してみてください。きっと恐ろしくて飲みすぎる事なんてできないと思います。
会社としても体内にアルコールが残った乗務員は絶対に乗務させられないので、処分が厳しく設定されている会社が多いのです。
それが乗務員にとって一番の抑止力となっています。
②チームワークで仕事がしたい人
バス運転手の仕事はほとんどが1人で完結できる仕事です。
ひとたび支店・営業所を出発してしまえば、バスの運行からお客様の接客まですべて1人でこなさなければなりません。
例外的にツーマン運行や、貸切で台数口の仕事などは他の乗務員と連携をとることもありますが、少なくとも運転中は1人でハンドルを握って仕事をすることになります。
僕はチームで仕事をするよりも、1人で黙々と仕事をする方が好きです。
そんな僕でも、高速道路を延々と走行しているときや、お客様が少なくなった夜間の一般路線バスを運行している時は、何とも言い難い孤独感を感じるときがあります。
例えば、コミュニケーションをとり様々な人と連携しながら仕事を進めることにやりがいを感じる人であれば、バス運転手の仕事は孤独感やむさしさを感じることが多くなり向いてないと言えるでしょう。
対処法
バス運転手でチームワークで仕事がしたい人は、『貸切バス』を運行している会社を選ぶのがオススメです。
先ほども少しお話しましたが、貸切の仕事でも台数口といって、1つの仕事を複数台のバスで運行する仕事は乗務員間のチームワークが必須となります。
またバスガイドさんと一緒に仕事をすることもあり、時にお客様からの突発的な要望に対して運転手とバスガイドさんの連係プレーで乗り切らなければならない場面もあります。
無事故で仕事をやり終えた後の達成感は路線バスとはまた別のものがあり、きっとやりがいを感じられると思います。
③ルーティンワークが嫌な人
先ほども少し説明しましたが、バス運転手の1日をざっくり説明すると、
『出勤⇒点検⇒出発点呼⇒出庫⇒乗務⇒休憩⇒乗務⇒帰庫⇒点検⇒到着点呼⇒退勤』
このルーティンになります。
未経験であれば最初こそ仕事内容に新鮮さを感じるかもしれません。
しかし毎日の仕事の流れは変わることはないので、ルーティンワークが嫌な人にとっては、だんだんと退屈さを感じ仕事に対してやりがいを感じることができなくなるかもしれません。
対処法
ルーティンワークが嫌な人も、「貸切バス」を運行している会社を選ぶのがオススメです。
貸切バスは路線バスと違って、走るルートは仕事によって臨機応変に変わります。
また事前に立ち寄り場所なども決められてはいますが、お客様の要望や、道路状況、天候、時間等様々な要因によって突発的に変更になることも多々あります。
その様な状況下でも、その場その場で適切な判断をしていくことが求められるため、ルーティンワークが嫌な人でもやりがいを感じられると思います。
④自分より年下を先輩として敬えない人
バス運転手は転職で入社してくる人が多く、入社時の年齢も様々です。
特に40代、50代でバス運転手に転職した人は、自分より年下なのに入社歴やバス運転手の経験が上な先輩が必ずいます。
また指導してもらう運転手が年下のこともあります。
自分より年下だからという無駄なプライドにより、教えを素直に聞き入れず先輩として敬えない人は、社内でも浮いた存在になり陰口も言われバス運転手として仕事を続けていくことは難しくなるでしょう。
対処法
あなたの方が年齢が上ですと、人生経験は年下よりも豊富かもしれません。
しかし、未経験でバス運転手になれば年齢関係なく誰しも初心者になります。
バス運転手の経験・技術・知識でいえば、いくらあなたが年上であったとしても、先に入社して経験を積んでいる年下運転手の方が上なのです。
そう考えると自然に、年下であったとしても「バス運転手としての先輩」として敬意をもって接することができると思います。
必要以上にへりくだることはありません。
休憩中や雑談中であればフランクに会話をしてもいいでしょう。
しかし、仕事のことで何か教えてもらうときなどは素直に真摯に向き合いましょう。
このようにメリハリをつけた関係を築けば、あなた自身もバス運転手としてレベルアップできますし、自然と他の運転手と溶け込むことができると思います。
⑤時間にルーズな人
バス運転手の仕事は時間に支配されていると言っても過言ではありません。
毎日の出勤時間が異なる上に、遅れて出勤することはできません。
また、路線バスであればバス停ごとに出発時間が決められており、時間管理をしながらバスを走られます。
貸切バスであれば、一日の行程表で立ち寄り場所や到着時間が決められており、渋滞や事故等の道路状況を常に把握しながら行程が遅れないように運行しなければなりません。
このように仕事中は常に時間管理が付きまとうバス運転手は、時間にルーズな人には向かないかもしれません。
対処法
最も注意すべきなのは、『寝坊による遅刻』です。
毎日仕事内容ごとに乗務員が割り当てられており、出勤時間もバラバラな為、出勤時間に間に合わないからといって、代わりに他の乗務員がすぐに乗務できるわけではありません。
そのようなことを想定して、交代要員を待機させているバス会社もいますが、昨今の乗務員不足により、交代要員自体を用意することも難しくなっていることも事実です。
その為、とにかく出勤時間に遅れないように出勤をするという、基本的なことをまずは徹底することが重要です。
以前の記事≪絶対に遅刻できないバス運転手の寝坊対策ルーティンをご紹介!寝坊で遅刻は厳禁です。≫で寝坊対策について詳しく解説していますのでご覧ください。
⑥ハンドルを持つと性格が変わる人
バス運転手の仕事は『平常心を保つ』事が最も重要であると言っても過言ではありません。
なぜなら、1日の乗務中にイライラさせられる場面が必ずあるからです。
しかも何度も。
特に一般車からの急な割込みや、進路を譲ってくれない等の、バス運転手からしたら『嫌がらせ』ともとれる出来事がたくさんあります。
その度に、『瞬間湯沸かし器』のごとくカッときていては、苦情や事故の元です。
ハンドルを持つと性格が変わる方はバス運転手に向いてないと言えるでしょう。
対処法
とは言うものの、僕も『聖人君子』ではありません。
カッとしてしまうことやイライラすることはあります。
と言うより、逆に一般車から『嫌がらせ』をされてイライラしない人はいないと思います。
漫画こち亀の本田(普段は温厚な性格なのに、バイクにまたがると二重人格の様に性格が激しくなる)のごとく、ハンドルを持つと性格が変わる方はさておき、大なり小なりイライラすることはあるので、一般車の『嫌がらせ』に対してスルーするスキルを身につけば、乗務中のストレスも低減されます。
バス運転手に向いてる人・向いてない人の11個の特徴や性格を現役バス運転手が深堀り解説!
この記事ではバス運転手になりたい方に向けて、バス運転手に『向いてる人』、『向いてない人』の特徴や性格を詳しく解説しました。
向いてるに当てはまっている人はその強みを武器に、向いてないに当てはまった人は対処法を参考にしながら、バス会社に入社後のあなた自身を想像しながら就職・転職活動を進めてください。
バス運転手になってから後悔しない為に。