バス運転手ライフを充実させるための秘訣は、休憩時間をどう過ごすかにかかっていると言っても過言ではありません。
それはなぜか。
仕事に占める休憩時間の割合が大きいからです。
バス運転手の仕事は拘束時間が長いですが、ずっとバスを運転しているわけではありません。
安全にバスを運行するため、またお客様のピークに合わせてバスを運行する等の理由から長い短いはありますが、休憩時間が確保されています。
仕事内容によっては拘束時間の半分を休憩時間が占めていることもあり、運転したくても休憩せざるを得ないこともあるのです。
その様な状況で現役バス運転手は休憩時間をどのように過ごしているかご存じですか?
仮にあなたが、1時間のお昼休憩のみの会社員の方であればなかなか想像がつかないと思います。
せっかくの休憩時間をダラダラ過ごすのはもったいないと、運転手ごとに思い思いの過ごし方をしているのです。
ただし、バス運転手の休憩といっても一括りにすることはできず、仕事内容によって微妙に「休憩の仕方」が変わります。
そこでこの記事では、僕が実際に休憩中にしている過ごし方や周りの乗務員から見聞きしたことを元に、
⇒一般路線
⇒高速路線
⇒貸切
の3つに分けて、よくあるバス運転手の休憩時間の過ごし方を具体例を交えながら解説していきます。
この記事を読むと、バス運転手の休憩中の実態が詳しく分かります。
是非バス運転手を目指す方にも読んでいただき、バス運転手の仕事について理解を深めていただければと思います。
↓筆者の自己紹介
※ここに記載した内容は特定の会社・団体・組織・個人を指すものではありません。またバス会社や仕事によって状況は異なるので、この記事の内容がすべて当てはまるわけではない事をあらかじめご了承願います。
【一般路線バス編】バス運転手の休憩時間の過ごし方
一般路線バスの休憩の特徴は、
〇中休(ちゅうきゅう)と呼ばれる大休憩がある。
〇休憩室で先輩や同僚と過ごす事が多い。
基本的には他の乗務員と過ごす事が多いです。
特に新人の頃は、休憩所にいる運転手のすべてが先輩になるので気をつかったりして、居心地があまりよくないかもしれません。
逆にすぐに打ち解けられる方や、仲のいい運転手がいる場合は会話が進んで楽しい時間を過ごせます。
寝る
バス運転手の仕事は拘束時間が長いです。
朝早く起床し夜遅く帰宅する生活をしていると、自宅だけでの睡眠時間では仕事中に眠くなることもあります。
そのため適宜休憩時間を利用して睡眠時間を確保している乗務員は多いです。
僕も休憩中は寝ることが多いですが、寝た後の乗務は頭がスッキリしてまた集中して乗務することができます。
もちろん休憩時間に寝すぎてしまうと、帰宅してから寝られなくなり翌日の乗務が眠くなるという本末転倒な状況になります。
そのため休憩中の寝る時間はあなたに合った適度な睡眠時間にするようにしましょう。
読書
本が好きな人は読書をする方も多いです。
特に終点到着後、次の始発まで10分~20分くらいと中途半端な休憩時間のときに運転席で読書をする運転手も多いです。
僕は普段読書をしないので運転席で読書する運転手をみると、
「知的でかっこいいな。」
と心の中で思ってみてしまいます(笑)
休憩室で他の乗務員と談笑
一般路線バスはお客様が多い時間帯をピークにダイヤを組んでいる為、お客様が少なくなる時間帯は他の運転手と休憩がよく重なります。
お昼ご飯を食べたり、テレビを見ながら他愛もない会話が繰り広げられます。
特に話題に出やすいのが運行状況やお客様の話で、
⇒どこどこで事故してた。
⇒渋滞に巻き込まれて大変だった。
⇒こんなお客さんが乗ってきた。
など仕事に関する情報交換の場になることもあります。
また仲の良い乗務員同士が会うと話に花がさき、プライベートな話が延々と繰り広げられます。
用事を済ませる
「中休(ちゅうきゅう)」と呼ばれる数時間(勤務内容によって異なる)の休憩中に私用の用事を済ませる運転手もいます。
例えば市役所に行ったり、散髪に行ったり、買い物をしに行ったりと時間が長い休憩時間を有効活用しています。
帰宅する
中休に帰宅する運転手もいます。
休憩室で他の乗務員と過ごすのは気をつかう場合もあり、僕もよく帰宅していました。
仕事が終わったわけではないので完全にくつろげませんが、それでも会社の休憩室よりはリラックスできます。
ただ注意点があります。
〇一度帰宅してしまうと再び出社するのがかなりめちゃくちゃ面倒になる。
〇自宅で仮眠をとるとぐっすり寝すぎて、次の発車時間に寝過ごす可能性がある。
この2点はありがちなので十分に注意しましょう。
【高速路線バス編】バス運転手の休憩時間の過ごし方
高速路線バスの休憩の特徴は、
〇個室の仮眠室で過ごす事ができる。
〇都道府県をまたいで運行している場合見知らぬ土地で休憩。
一般路線バスと違って、1人で過ごす事が多いため、先輩などに気をつかわずに過ごす事ができます。
自分のペースで自分の好きな過ごし方ができるので、1人が好きな人は気楽でいいと思います。
寝る
距離が長い都市間高速バスの場合、高速道路を長時間走行します。
ストップアンドゴーが多い一般路線バスと比べると、高速道路に入ると単調になるので、家でしっかり睡眠をとっても眠気が襲ってくることがあります。
都市間を日帰りで往復する場合、特に復路で眠くなることが多いです。
その為往路の到着は仮眠室で睡眠をしっかりとる乗務員も多いです。
もちろん、寝なくても全然大丈夫とか仕事中寝ると家で寝れなくなる運転手は起きています。
読書
一般路線バスと比べて高速路線バスは休憩中に1人で過ごす事が多いです。
路線によっては共同運行会社やグループ会社など他社の休憩室を使うこともありますが、他社の乗務員と談笑したり一緒に過ごす事はほとんどありません(もちろん元同僚や知り合いなどの場合は、一緒に食事したり話すことはあると思いますが)。
大体は休憩所で食事を済ませると、個室の仮眠室にこもる運転手が多いと思います。
そんな時仮眠を取らない運転手は時間を持て余すため、小説や雑誌、漫画等を読んでいる場合も多いです。
食べ歩き
食べるのが好きな運転手は事前に行きたいお店を調べておいて、休憩中にお目当てのお店まで食べに行きます。
複数の都市間高速バスを持つ会社であれば、今日はこの都市のお店、明日はこの都市のお店と言う風に色んなお店をめぐることができます。
ただしお金はかかりますが…
観光地散策
食べ歩きと同じく、外に出て観光地を散策することもあります。
特に休憩時間が長い場合は、行動範囲も広がります。
事前に行きたい場所をピックアップして今まで行きたいけど行けなかったような観光地を仕事の合間に訪れることができるのはバス運転手ならではの醍醐味と言えます。
ただし、僕の場合観光地散策は最初だけで、何度も行くようになると飽きてきます(笑)
そもそも同じ都市を何度も訪れますし、休憩中の行動範囲も限られてきますので観光するものがなくなります。
慣れるまでの楽しみと言えるかもしれませんね。
【貸切バス編】バス運転手の休憩時間の過ごし方
貸切バスの休憩の特徴は、
〇その土地の美味しい物を食べられる。
〇時間的、金銭的、気持的に余裕があれば運転手も観光客気分を味わえる。
一般路線、高速路線バスの休憩では味わえないような過ごし方ができるのが貸切バスの醍醐味です。
その気になれば、お客様と同じように観光地散策することもできますし、ご当地グルメを堪能することもできます。
食べ歩き
貸切の仕事は高速路線バス以上に様々な場所に行きます。
その土地ならではの美味しいものと巡り合う機会も多く、グルメな運転手は行った先で何を食べるか楽しみにしています。
運転手の食事は旅行会社が準備してくれることもありますが、そうでない場合は休憩箇所周辺の食べ物屋さんをあらかじめ調べておいて、食べに行きグーグルマップにそれを記録して楽しんでいる乗務員もいます。
観光地散策
貸切の仕事の醍醐味の一つが、休憩中に観光地を散策できることです。
仕事とはいえ、まだ行ったことがない、前から行きたかった場所を訪れることができるので、気持ちに余裕があれば休憩中にあなた自身も観光地を楽しむことができます。
バスのワックスがけ&ホイール磨き
貸切バスの仕事は「担当車」といって、その名の通り自分が担当するバスで仕事をすることが多いです。
その為長い休憩時間の時は、担当するバスのワックスがけやホイールを磨いて過ごします。
先輩は他のバスの状態もよく見ていますのて綺麗に保っていないと、
「お前のバス汚いな。」
なんて指摘されることもあります。
そんな先輩のバスはいつもピカピカに保たれているので、負けないように休憩時間に休むのを惜しんでバスを綺麗にするのです。
貸切の仕事をする前は、
「休みたいのに休憩時間もバスを綺麗にしないといけないのはしんどいな。」
なんて思っていました。
しかし、担当車をもらってワックスがけやホイールを磨き自分のバスと向き合っているうちに愛着がどんどん湧いてきて、
「次の仕事の休憩時間はどこをきれいにしようかな??」
なんて考えるようになっていました(笑)
地図を見て次の仕事の予習
貸切バスに乗務するようになり最初の頃は、バスで毎日新しい場所に行くことになります。
その為、常に地図とにらめっこし寝不足になりながら事前に予習を行うのですが、自分だけで予習するのは限界があります。
ある程度経験がものをいう貸切の仕事は、その場所に行ったことがある先輩に聞くのが確実ですし手っ取り早いです。
地図やグーグルマップだけでは得られないその土地ならではのご当地ルールなども存在します。
複数台での仕事の休憩中は先輩に聞く絶好のチャンスです。
休憩時間を有効活用して次の仕事の予習ができれば、家に帰って少しでも寝る時間を確保できるだけでなく、安心してその仕事に臨むことができます。
【まとめ】バス運転手の休憩時間のよくある過ごし方はこれだ!
バス運転手にとって休憩時間は長く、仕事によっては乗務している時間より休憩時間の方が長いなんてこともあります。
その為、休憩時間を有意義に過ごす事は充実したバス運転手ライフに直結します。
この記事を参考にしていただき、あなたに合った休憩時間の過ごし方を見つけて頂けたら幸いです。